MP3 が打撃の前に置く雑音
なぜ MP3 では、鋭い打撃の直前に、録音にはなかった擦れる音が聞こえることがあるのか。コーデックは音を一点ずつ追わない。ひとまとまりを丸ごと取る。その中に大きいクリックがあると、その誤差が塊全体に乗る。クリック前の無音にも乗る。
擦れる音はクリックより先に来る
それまで静かで、急に指鳴らし、スネア、あるいは弦の弾きが来るところを取ってみる。原音では無音が打撃で切れる。MP3 では打撃の少し前に弱い擦れ音が出る。前の音の尾ではない。打撃はまだ起きていないのに、雑音はすでにある。
大きいクリックは、コーデックが取った塊全体に雑音を乗せる。隣で何も鳴っていなければ、この雑音を隠すものがない。だから打撃そのものより先に聞こえる。密度の高いところでは、同じ雑音は音楽に沈む。
低いビットレートでは塊が長く、擦れ音が目立つ。高いビットレートではコーデックが塊を短く取れることが多く、打撃前の汚れはほとんど消える。
打撃の前が無音のうちは、擦れ音が突き出る。音楽がすでに鳴っていると、その擦れ音はもう分けられない。
どこで捕まえるか
休止のあとの最初の打撃を探す。乾いたクリック、言葉の出だし、加工のないアコースティックギター。すでに全部が叫んでいるドロップでは、この擦れ音は普通出てこない。同じ曲を聴いていても二人は食い違う。一人はクリック前の空白を取り、もう一人はサビの途中にいた。
知っている録音なら簡単だ。そのクリックの前はきれいだったと覚えていて、汚れがすぐ分かる。知らない録音では、部屋の雑音と取り違えやすい。
印象ではなく数字が要るなら、ファイル名を隠して音だけにする。ラウンドは FLAC vs MP3 の記事 にある。打撃のあとの尾、減衰でコーデックが節約するところは MP3 が聞こえる場所 にある。もう聴いているそのヘッドホンでの自分の閾値は、設定ページ で分かる。